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スリック史(その5)

1980年、88Dの一回り小さい三脚として「スプリント55」「スプリント55デラックス」を発売しました。
最大パイプの対角線の長さ、23ミリの「レクタンギュラーパイプ」を採用しました。単なる角パイプでは、面の部分の強度が弱くなり、やはり強度の意味では丸パイプの三脚が最高、というスリックのポリシーを角パイプにおいて取り入れたため、角パイプの中に丸パイプを組み込んだような造形、断面が四角の中に丸を組み込んだような形状を採用しました。
88Dでは、アルミパイプ以外の部分、雲台もプラスチック製でしたが、スプリント55では、本体はプラスチック製ながら、雲台はアルミダイカスト製を採用しました。(現在では、U 9800BKが同様の仕様です)

ネーミングは昭和55年ということと、営業的に勢いをつけたいという意図で「ゴーゴー」といった語感を入れたかったようです。この製品では「デラックス」という名称を「ステーとラックアンドピニオン式エレベーターを採用した機種」という意味で使いました。デラックスのつかない「スプリント55」では、手で持ち上げるだけのセンターポール式でした。

88Dで採用したクイックシュー(グッドマンエースと共用のカメラアダプター)は採用されず、プロ用の機種である「マスター」同様のダブルナット式のカメラネジを採用しました。

アメリカ輸出向けは「U112」と名付けられ、88Dのアメリカ向け「U212Deluxe」の小型・軽量版としてラインナップされました。
ヨーロッパ向けは「35DN」「35SN」と名付けられ、上位の88Dとは異なり35mm一眼レフ専用というイメージで販売されました。輸出向けは、88Dと同様のイメージで、カメラアダプターでのカメラ取り付け、プラスチック製の雲台を採用しました。

スプリント 55では、本体の形状が丸みを帯びていましたが、U112、35DN、さらに35DNの脚パイプを丸くし、写真流通商社である「樫村」専売モデルとして登場した「SL-K12」では、角張った本体を採用しました。

アメリカ向けの「U112」は、グリップ式雲台「AF-2100」を組み合わせて販売したモデル「112AF」としても発売され、その名称のまま国内販売もされました。